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Channel: 「カラマツの下の花畑」・・・・♪
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新川遊歩道で出合ったひと

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新川遊歩道へ向かう途中で、人待ち顔に道を眺めている女性に出合いました。
右を見たり、左を眺めたり~~目が合ったので、「こんにちは」と言うと、同じ挨拶が返ってきてーー
「~~忘れちゃって困る。すぐに忘れちゃうのよ」
「デイサービスに行く日かどうかも。車が来ないかと見ているんだけど」と。

「朝、北葛西からは、一人乗って行ってね、途中で人を拾っていって東葛西のデイサービス会場に行くの。そこで、リズムやってね~」
「あら、すごい!『リズム体操』やられるんですか?」(結構難しいです)
 「ううん、できないから、見ているだけだけど。行けば、そこでみんなと話せるしね、楽しいのよ」歌を歌ったり、ゲームをしたり、交流があって、お昼のお弁当も出る。
 「夜はね、新川遊歩道を三角まで歩いて、コンビニでお弁当を買ってチンして食べるのよ」ガスは危ないからと、取り外されているそうだ。子供たちは近県に住んでいて、
千葉にいる息子が、心配して、月一回訪ねてくれる。
  (母がケアハウスにいた頃、兄弟で交代で訪ねていたことを思い出した。)この方はまだしっかりして一人住まいを続けておられる。
図書館に行く私と、橋の上まで一緒に歩く。



「毎日、橋の上から川をながめながら、“なんで、早く死んじゃったんだー”って怒っている。こんなに川の水も汚くなっちゃってね」
「20年前に、60歳で亡くなってしまったの」
 結婚してここに住んだ頃は、水もきれいで、ご主人はこの川で泳いだのだという。若き日のご夫婦の姿を想像できた。
「また、お会いするかもしれませんね。お元気で」
「また寄ってください」と立ち話は終わった。

二日後、同じ道を通った。
一軒の家の窓が開いて、先日の方と目が合った。
 「こんにちは」あいさつを交わしたが、果たして覚えてくれていたのだろうか。

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